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国連、西暦2133年を待たずに完全なるジェンダー平等達成をめざす

【ベルリン/ダボスIDN=リタ・ジョシ】

国連の潘基文事務総長が、世界の女性のエンパワメントは「世界的な課題」だと述べて、初の「女性の経済的エンパワメントに関するハイレベルパネル」の開催を発表した。

英国政府、世銀グループUNウィメンが支援したこのパネルの設置は1月21日、世界経済フォーラム(WEF)の開催地であるスイスのダボスで発表された。

しかし観測筋によると、この発表は驚きではない。国連の持続可能な開発目標(SDGs)第5項目は、ジェンダー平等の達成とすべての女性・女児のエンパワメントを掲げている。

そして、今年のWEFが提示した世界の十大重要課題のひとつに、ジェンダー平等が含まれているのである。

過去10年、WEFは、「世界男女格差レポートGlobal Gender Gap Report)」を通じて、変化のペースを測ってきた。2006年に初めて発行された同レポートの2015年版は、10年間のデータを使い、「世界は全体として進歩してきたが、不平等が未だに頑として存在している。このペースだと、男女間の経済格差を完全に解消するにはあと118年(2133年まで)かかるだろう」と述べている。

報告書が述べるように、2006年以来、2.5億人の女性が世界の労働市場に加わったにもかかわらず、女性の賃金レベルは10年前の男性のそれと変わらず、不平等がいまだに存在するためだ。

保健、教育、経済機会、政治における世界的なジェンダー格差はこの10年でわずか4%しか縮小していない。経済的格差の縮小はほんの3%で、これでは格差が完全に解消されるまでに118年もかかることになる。

女性にとって教育は何ももたらしていないのかという問いに関して、レポートによれば、2006年以来、調査対象国(145か国)の中で格差が拡大したのは22%の国々にとどまり、97か国で男性よりも女性の方が多く大学に入学しているが、女性が熟練労働者の多数を占めているのは僅か68か国、指導者の多数を占めているのはわずか4か国であった。

依然として北欧諸国が、世界男女格差指標の上位を占めている。非北欧諸国でもっとも上位にあるのが、5位のアイルランドだ。非欧州諸国でトップ10にランクインしているのは、ルワンダ(6位)、フィリピン(7位)、ニュージーランド(10位)。米国は前回の調査から8ランクダウンで28位であった。

他方で、女性は自らの収入を家族や地域のために、とくに健康や教育のために投資するとの調査結果が出ている。「マッキンゼー・グローバル研究所」は、各国の女性が市場において男性と同じような役割を果たしたと仮定すると、2025年までに世界経済は28兆ドル押し上げられるだろうと推定している。

しかし、現在のところ、女性の収入や資産は[男性より]少なく、一方で、より多くの無償労働や介護負担を担い、その経済活動は脆弱で低賃金なものに集中している。女性は、無報酬の介護や家事に(男性の)2倍の時間を費やし、男性と同じ仕事をしても、世界的に男性よりも24%低い賃金しか受け取っていない。

さらに、途上国における女性雇用の75%は、非正規で保護されていない。こうした格差が女性の権利に対する制約となり、経済成長と生産性を阻害している。

従って、諸政府や開発機関等が社会全体の利益のために女性の経済的エンパワメントに投資するように、行動と政治的意思の強化が必要だと国連は考えているのである。

こうしたことを背景に、「女性の経済的エンパワメントに関するハイレベルパネル」は、考え抜かれたリーダーシップを提供し、世界で根強く残る経済の男女格差をなくすことを目的とした具体的な行動を起こすことになる。

同ハイレベルパネルは、とりわけ、女性のための経済的成果を向上し、持続的で包括的、環境に優しい経済成長を促す女性のリーダーシップを促進するために、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の履行に向けた勧告をなすことになる。

同ハイレベルパネルはまた、政府や民間部門、国連やその他の利害関係者によってとられる主要な行動への勧告を行い、女性の経済的エンパワメントを呼び掛けたSDGsのあらたな目標と指標を達成するために必要な政策的指針を示すであろう。

「世界の女性のエンパワメントは世界的課題です。」と、ハイレベルパネルの設置を発表した国連の潘基文事務総長は語った。

「しかし、ジェンダー平等を促進するうえで大きな進歩があったにも関わらず、女性の経済的エンパワメントと経済活動への完全参加を実現するには、依然として構造的障壁が行く手を遮っており、火急に対処する必要がある。もし世界が持続可能な開発目標を達成しようとするなら、女性の経済的エンパワメントを飛躍的に前進させる必要があります。」と潘事務総長は語った。

ハイレベルパネルの共同議長は、コスタリカのルイス・ギジェルモ・ソリス大統領、IKEAスイスCEOのシモナ・スカルパレッジア氏の2人。ここに、国際通貨基金、世銀グループ、UNウィメン、幅広い著名なジェンダー・平等関連の活動家、経済専門家、学者、労組関係、さらに、あらゆる地域からの経済界・政界の代表が加わる。

ハイレベルパネルは、英国政府の支援を受けたUNウィメンがホストする独立の事務局によって運営されることになっている。

ハイレベルパネル創設主体のひとつである英国のジャスティン・グリーニング国際開発相は、同ハイレベルパネル設置を歓迎し、こう述べた。「このハイレベルパネルに参加できることを非常に光栄に思います。女児・女性に投資することは単なる基本的人権の問題ではなく、世界の人口の半分の潜在能力を完全に解き放つことでもあります。英国は既にこの取り組みの先頭にいるのです。」

「国際開発省において私は、女児・女性の生活の向上を政策の中心課題としてきたし、英国は女性性器切除や児童婚の撲滅を先導し、女児を学校に、そして女性を職場に送り込んできました。強い経済は女性を含めた全員の貢献を必要としており、このパネルは女性の経済的エンパワメントをかつてない規模で課題として取り上げる先導役を果たすことになります。」とグリーニング国際開発相は付け加えた。

同じくハイレベルパネルの創設者である世銀グループのジム・ヨン・キム総裁は、「世銀グループは、貧困を撲滅し共通の繁栄を加速するための不可欠の要素であるジェンダー平等に強くコミットしてきました。私たちの新たな『ジェンダー平等戦略』は、経済的エンパワメントにより明確な焦点を当てています。」と語った。

「すべての人間がその潜在能力を発揮するまでは、いかなる社会、地域、経済も、その完全なる潜在能力を発揮し、あるいは、21世紀の高まる諸問題に対応することはできません。私たちは、このパネル招集のために英国国際開発省及び国連と協力できることを喜ばしく思います。ハイレベルパネルの作業は、私たち共通の目標に向けた進展を加速することになるでしょう。」とキム総裁は付け加えた。

ハイレベルパネルは、女性の経済的エンパワメントには相乗的な効果があり経済全体を活性化するという証拠や諸政府や民間部門による認識を基礎として、世界中で依然として残る経済的機会・成果におけるジェンダー格差の問題に取り組むことになる。

ハイレベルパネルは、2016年3月に国連で開かれる婦人の地位委員会の60回目の会期においてその活動を開始する。地域ごとの一連の協議会合も開かれ、行動志向の勧告を含んだ最初の報告書は9月に発行される予定である。(1.21.2016) IPS Japan/ IDN-InDepthNews