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ジェンダーに敏感な「2030アジェンダ」の履行を求める声

Photo: Closing plenary of CSW60 | Credit: UN Women

【トロント/ニューヨークIDN=J・C・スレシュ】

国連加盟国は、ジェンダーに敏感な「2030アジェンダ」の履行を約束している。そうした中、3月14日から24日まで開かれた第60回「国連女性の地位委員会」(CSW60)は、いくつかの結論に合意し、より強力な法制や政策、制度、質の良いデータ、強化された資金調達を呼び掛けた。

同委員会は、女性に開発の主体として極めて重要な役割を認めている。「2030アジェンダ」の中核を担う「持続可能な開発目標」の進展は、ジェンダー平等と女性・女児のエンパワメントなくしては不可能であると認識している。

CSW60で合意された結論では、17の「持続可能な開発目標」(SDGs)と169のターゲットのすべてを、政府のあらゆる政策と事業を通じてジェンダー視点を統合することを通じて履行するための包括的なアプローチを推奨した。ジェンダーを基盤にしたあらゆる形態の差別の廃絶は、効果的な法・政策と、依然として差別を認容している法律の廃止にかかっている。暫定的な特別措置が、女性・女児が人権侵害に対する正義を獲得するために必要とされるかもしれない。

SDGs第5目標の5つのターゲットは次のようなものである。

5.1 あらゆる場所におけるすべての女性および女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。

5.2 人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性および女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。

5.3 未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚および女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。

5.4 公共のサービス、インフラおよび社会保障政策の提供、ならびに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する。

5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画および平等なリーダーシップの機会を確保する。

5.6 国際人口開発会議(ICPD)の行動計画および北京行動綱領、ならびにこれらの検証会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康および権利への普遍的アクセスを確保する。

5.a 女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、ならびに各国法に従い、オーナーシップおよび土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。

5.b 女性の能力強化促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する。

5.c ジェンダー平等の促進、ならびにすべての女性および女子のあらゆるレベルでの能力強化のための適正な政策および拘束力のある法規を導入・強化する。

「女性の地位委員会」は、ジェンダー平等とすべての女性・女児のエンパワメントを達成するための資源の格差を縮小する投資の大幅な拡大を支持した。政府開発援助(ODA)の充足から、ジェンダー平等向けの公的資金を奪う違法な資金の流れと闘うことまで、国内・国際の両レベルですべての資金源から資金が調達されてこなければならない、と同委員会は決議した。

人道的危機やその他の緊急事態は女性・女児に対してより大きな悪影響を及ぼしているが、「女性の地位委員会」は、危機への対応と危機からの復興のすべての側面において、リーダーシップと意思決定の点で女性をエンパワーすることが絶対的に必要だと強調した。イスタンブールで開かれる「世界人道サミット」(5月23・24両日)を前にして、同委員会は、人道的危機において女性・女児のニーズを優先することと、すべての緊急事態において女性の権利を擁護することを強調した。あらゆる人道的危機への対応は、性的暴力、ジェンダーを基盤とした暴力に対処する措置を伴っていなくてはならない。

国連の潘基文事務総長は、「世界人道サミット」への報告書『人道理念は一つ、責任の共有を』の発表に寄せた2月9日の挨拶の中で、「女性・女児をエンパワーすると同時に保護しなくてはなりません……長期にわたる危機に見舞われた地域における教育もまた、優先されなくてはなりません。危機の状況にあるからといって、また、資金が足りないからといって、児童や青少年が教育を否定されることがあってはなりません。」と語った。

「女性の地位委員会」の委員は、政府から民間企業、その他の機関を含め、また、持続可能な開発のあらゆる領域を横断して、公的・私的領域のすべての意思決定のレベルにおいて女性が平等に参加してリーダーシップを果たすようにしなくてはならない、という点で一致している。さまざまな状況によって、暫定的な特別措置の確立、具体的指標の設定と達成、女性参加への障壁の除去といったことがここには含まれるであろう。

UNウィメン」のプムズィレ・ムランボ‐ヌクカ事務局長は、この合意と、2015年9月に採択された「2030アジェンダ」を現実のものにしようという国連加盟国の公約を歓迎し、「国々は、ジェンダー不平等問題の解決に2030年という期限を設けました。今こそ動き出すべき時です。これらの合意された結論によって、ジェンダーに敏感な「2030アジェンダ」の履行が固められ、その開始を促すことになります。それによって『誰も置き去りにしない』方針実現の可能性が非常に高まりました。」と語った。

「女性の地位委員会」に全世界から史上最多の80人以上の閣僚が参加したことをもってしても、世界的に運動が活発化していることは明白だ、とUNウィメンは報道発表で述べている。非政府組織についても、540団体以上から4100人が参加し、委員会の年次会合としては最多となった。

女性団体や地域を基盤とする組織、フェミニスト集団、人権擁護団体、女児・青年組織など、市民社会が「2030アジェンダ」形成に大きく寄与したことを受け、同委員会は、ジェンダーに敏感な政策の履行において市民社会と関与し協力していくことを歓迎した。また、変化の主体として、女性・女児に対するあらゆる形態の暴力や差別を廃絶する同盟者として、男性・男児が十分に関与していくことを強調した。

「2030アジェンダ」を通じてジェンダー平等と女性のエンパワメントに向けた系統的前進を導くために、同委員会は、各国ごとの統計処理能力や体系的なデザイン、すなわち、性別・年齢・収入ごとに集計された、良質で信頼性があり、タイムリーなデータを収集・共有することの重要性を強調した。また、加盟国は、女性の平等とエンパワメントを図るうえで、女性・女児のための各国ごとのメカニズムの役割を下支えしていくことにも合意した。

UNウィメンは、ジェンダー平等と女性のエンパワメントに奉仕する国連機関である。女性・女児の権利擁護の世界的機関として、世界全体で女性のニーズを充足しその地位向上と前進を加速するために設立された。(3.25.2016) IPS Japan/ IDN InDepthNews